ABMを軽視するbtobスタートアップは伸びないと思う

ボードゲームにおいて、相手の重要なコマを早期に取りにいくことは、その後のゲーム展開を有利にするための定石である。

 

将棋で例えるなら序局に飛車と角のいずれかを取れれば、その後にとれる戦略は大きく変わる。

 

これはビジネスにおいても同じことが言える。

 

例えば、新しいサービスでもDeNAサイバーエージェントで導入されているシステムと言われれば、IT業界であれば大きな威力を持つ。

 

あまりにも有名なORACLE社のフォーチュン500の○%以上が導入している、という広告の謳い文句を見れば、たいていの大企業はORACLEを何かしらの形で検討するだろう。

 

最初にとれるコマが歩なのか飛車なのかで戦局は大きく異なる。

 

 

ここ数年で聞かれるようになったマーケティングキーワードにアカウントベースドマーケティング(ABM)がある。

 

Googleさんによると以下のように説明される。

 

企業が優良な顧客に対して、効果的にアプローチする手法のひとつ。アカウント・ベースド・マーケティング(Account-Based Marketing)を略して、ABM と表記することが多い。

この場合のアカウントは、顧客企業やクライアントといった意味と思っていい。そして、そのアカウント(企業)をよく知って、複数の部門が連携して適切なタイミングで適切な商談を行うことで案件の受注につなげる。おおむね、こういった営業活動を ABM といっている。

※参考 NTT PCコミュニケーションズ

用語解説辞典|【公式】NTTPC

 

要は、「重要顧客をセグメントして、そこに対して重点的にアプローチすること」、と解釈して問題ない。

 

この概念の多くはすでに大量のアカウントを抱えた大企業が既存顧客にアップセルやクロスセルを行うようにアプローチすることが費用対効果も良いという観点から戦略の基軸にされることが多い。

 

しかし、私はリソースも少なくセグメント特化したスタートアップにこそ、適用してもらいたい概念であると思う。特にbtob向けのSaasサービスを提供している会社に必須であると思う。

 

このように考えるのは以下の理由がある。

 

  • ほとんどの業界には業界団体や何かしらのネットワークがあり、その中で影響力を持つ企業の多数が大企業である
  • 業界トップに変化が起こると他社もフォロワー戦略として、その変化に対応しようとする
  • 顧客として要求レベルが高く、良いサービスのフィードバックを回収できる。そして、その多くが業界に共通する。

 

最近ではインフルエンサーマーケティングが持て囃されており、そのほとんどがコンシューマー向けの概念だと言われているが、それは間違いだ。

 

企業は何かしらの業界コミュニティに属しているし、そこで何かしらの影響を受ける。

 

このコミュニティにおいて影響力のある企業に介入することこそが、btobにおけるマーケティング戦略ではないのか。

 

もし最初の10社が単なる友人なのか業界トップ10なのか。これだけで事業の加速度は大きな変化がもたらされる